【新聞ウォッチ】自動車業界「木・金」休日、「土・日」出勤で喜ぶ人、悲しむ人

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東京電力福島第二原子力発電所
  • 東京電力福島第二原子力発電所
  • スズキ高塚(本社)工場

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年5月16日付

●福島第一1号機、燃料溶融津波4時間後、翌朝注水直後に大半崩落(読売・1面)

●被災ライダー復帰戦3位、伊東選手「東北に勇気を」(読売・33面)

●浜岡停止要請「評価」62%、本社世論調査(朝日・1面)

●社長の月収、254万円、大手と中小、差は2倍(朝日・5面)

●ワールドけいざい:「最安車」ナノの逆襲、インド国内スーパーでも展開、販売V字回復輸出目前(朝日・7面)

●自工会、7〜9月は木金休んで土日操業 19日決定、週末納車と節電促進(産経・2面)

●サイバー攻撃対策、スマートフォン安全強化、不正ソフト防止、40社連携、グーグルも協力(日経・1面)

ひとくちコメント

夏の電力不足に対応するため、自動車業界が7月から9月までの3か月間、「木、金曜日」を休日扱いにして、代わりに「土、日曜日」を出勤日とする「輪番操業」を実施するという。トヨタ自動車など完成車メーカーなどが加盟する日本自動車工業会(自工会)が率先して提案したもので、約450社の部品メーカーで構成する日本自動車部品工業会にも、同様の「輪番操業」の協力を求める。

先週12日の朝刊で東京、日経などが報じ、きょうも産経が「19日の自工会総会で正式に決定する」と伝えている。

記事によると、各社の工場の稼働実績を調べた結果、「木、金曜日の電力消費量が多い」(自工会)ほか、水曜日までの生産分で、週末に向けた販売店への新車納入が効率的に行えることから、曜日を選定したそうだ。

対象地域についても当初、東京電力、東北電力管内とする予定だったが、部品メーカーから、「複数の完成車メーカーに納入する場合、休日が違うと混乱が生じる」といった要望が出されたほか、浜岡原発の停止で、中部電力管内の電力供給にも不安が生じ、全国一斉実施に切り替えたという。

「輪番操業」は生産工場ばかりではない。本社の営業事務部門まで含めて全社的に実施する方針だ。そうなれば、異業種との商談や連絡なども「月,火、水」に集中しなければならないほか、土日出勤には一般社員などは休日手当などの支給が必要となる。出勤日の「土、日」は、薄暗いオフィス内でポロシャツ姿の管理職が退屈そうに事務処理をする光景が目に浮かぶ。

バブル時代は、“ハナキン”などと流行語にもなって、週休2日制の導入で、土曜休日の企業が増えたことから、、休日前の金曜の晩は夜遅くまで思いっきり遊びまわる風潮があった。企業もサラリーマンにもこうしたゆとりがなくなる中で、その“ハナキン”も節電の夏は休みになって、せいぜい家庭で発泡酒に枝豆をつまむのが唯一の楽しみとなりそうだ。

《福田俊之》

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