気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2011年4月15日付
●復興構想会議、緊急対策6月に提言、震災復興税に意欲、五百旗頭議長(読売・1面)
●訪日外国人73%減、3月、震災後落ち込み最大(読売・2面)
●トヨタ業績予想延期(読売・10面)
●GWの高速渋滞やや緩和の予測(朝日・37面)
●ポルシェが5900億円増資(毎日・6面)
●富士重米工場3日間停止(毎日・7面)
●差し押さえ高級外車6台、ネット・オークションで公売へ(毎日・18面)
●福島第一「廃炉に10年」東芝社長、業績への影響「限定的」(東京・6面)
●震災で特損住金600億円、前期、2期連続最終赤字(日経・1面)
●部品不足受け豪で生産縮小、トヨタ(日経・9面)
●中古の軽自動車、被災地で販売急増、ガリバー7割増(日経・11面)
ひとくちコメント
なぞかけ漫才の「整いました」というフレーズが昨年の流行語大賞にもなったが、整わないのに発表せざるを得なくなりそうなのが、GW前後から始まる各社の2011年3月期決算である。
トヨタ自動車は5月11日に予定している2011年3月期の決算発表で今期(2012年3月期)の連結業績予想を同時に開示せずに、先送りする方向で調整しているという。きょうの読売と日経が取り上げている。
東日本大震災の影響で部品の調達に支障が生じており、業績予想の前提となる生産・販売計画の策定に時間がかかっているためだそうだ。ただ、「当初予定よりは遅れるが、5月中に開示する方向で検討している」(日経)という。
トヨタは2006年3月期から決算発表時に新年度分の連結業績予想を開示しているが、リーマンショック後の09年度やリコール騒動で大混乱した10年度についても決算発表と同時に予定通り連結業績予想を行ってきた。
今回の大震災では金融庁でも決算発表に関するルールを緩和する特別措置を講じている。それにしても、震災後の半導体などの部品不足は、今後の業績の見通しが読めないほどの深刻さを浮彫にしている。自動車産業が綱渡りの“自転車操業”ではシャレにもならない。