心拍センサーとの併用でGPS内蔵ウォッチの効果を向上させる

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GARMIN ForeAthlete 110
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腕にはめておくだけでジョギングやウォーキングなどの運動を記録し、距離やペースを教えてくれるGPS内蔵のトレーニングウォッチ。アウトドアGPSメーカーのGARMINが発売する最廉価のGPS内蔵腕時計『ForeAthlete110』で、実際に運動しながらその使い心地を体験してみた。

スタートボタンを押すだけの簡単操作で不安がない

まずジョギングに本機を使ってみた。最初にメニューボタンを押して時計モードからトレーニングモードに切り替える。するとGPSによる位置確認が行われるので、あとはスタートボタンを押して走り出すだけだ。こういった記録デバイスは記録したつもりがされていなかった、というのが一番怖いのだが、本機は明快な操作で記録に失敗することはまずなく、安心して使える。

ディスプレイの表示は3段に分かれており、上から走行距離、経過時間、ペースを表示する。最初に役に立ったのがペースの表示だ。ペースとは1kmを走るのに要する時間のこと。つまり速度を表す単位だが、ジョギングやウォーキングでは時速よりもペースで表記することが多い。ただし、本機は設定でどちらでも表示することができる。

◆ペース機能を活かしてジョギングにチャレンジ

筆者は普段運動していないことや年齢から考えて、ジョギングを始めるならとても遅いペースから体を慣らしていかなければならない。「とても遅い」とは1kmを大体8分くらいだ。実際に走ってみるとわかるが、早足で歩いているのと大差ないペースである。

まず本機に頼らず、自分の考えるもっとも遅いペースで走ってみた。するとあっという間に息が上がり、僅かな距離で足を止めてしまった。体力の衰えを痛感させられる瞬間だ。あとでこの時のペースを本機の記録から調べてみると、1km5分を切るペースで走りはじめ、そのペースが見る間に落ちて、500mで止まっていた。運動に慣れていない身にとっては1km5分は無謀以外の何ものでもないのだが、勘に頼るとこうなってしまうのだ。おそらく、頭の中の運動感覚は学生時代のまま止まっているのだろう。

次は本機のペースの表示を見て、1km8分のペースで走ってみた。とんでもなく遅く感じるが、このペースなら走り続けられる。我流で走ったときは500メートルでダウンしたが、ペースを守って走ると1kmをノンストップで走り切ることができた。さらにそれを3日続けたら4日目は2km、1週間後には3kmと、順調に距離を伸ばすことができた。このように走った距離が簡単に分かるのも本機があればこそだ。

こうなると面白くなってきて、ペースを上げたくなってくる。しかし、これがジョギングの罠だ。ペースを上げると脂肪が燃焼しにくくなり、糖質ばかりが消費される。そのためダイエットを目的としている場合はペースを上げるのは逆効果。むしろなるべくゆっくり走ったほうがいいのだ。そのため、慣れてきてもやはり本機のペース機能は重要になる。

◆ウォーキングやサイクリングさらには山歩きにも

続いてウォーキングにも挑戦してみた。最近ではよく知られていることだが、ウォーキングといっても普通に歩いているだけでは運動としての効果はほとんど無い。息が荒くなるくらいのハイペースで歩かなければならないのだ。したがってジョギングとは逆にハイペースを保つためにペース機能を使うことになる。

4kmほどを40分ほどかけて、つまりペースとしては1km10分くらいで歩いてみたが、思ったよりキツイ。しかしジョギングのように心肺機能に過度の負担をかけることはないので安心だ。それでいて、消費カロリーをチェックしてみるとジョギングよりむしろ高いほどだった。ウォーキングが人気なのもうなずける。

なお、本機にはラップ機能もあり、一定の距離ごとに、あるいはボタンを押したタイミングでラップを刻むことができる。これは後でデータを分析するときに役に立つので、ウォーキングでもジョギングでも、決まった距離でラップが刻まれるように設定しておくといい。

そのほか、サイクリングや山の散策にも使ってみた。このような用途ではペース機能は役に立たないが、走ったり歩いたりしたコースを保存してくれるのがとても便利。これはいわゆるGPSロガーとしての使い方だが、この用途でも専用機と同等の性能を発揮してくれる。

◆ぜひ欲しいオプションのハートレートセンサー

本機はハートレートセンサー、つまり心拍センサーを使用することもできる。GARMINでオプション設定されているハートレートセンサーはもちろん、ANT+規格に対応していれば他社のハートレートセンサーも使用可能だ。このセンサーはベルト型になっており胸に装着する。無線でデータを転送するのでわずらわしい配線はない。

ハートレートセンサーは本機を使うなら是非とも欲しい。なぜなら、心拍は運動の管理をする上で非常に有効だからだ。例えばダイエット目的で運動をする場合、効率のよい有酸素運動をするべきなのだが、自分が今している運動が有酸素運動かどうかは、心拍数で知ることができる。具体的には、220から自分の年齢を引き、その数字の60〜80%程度の心拍数になるように運動すれば、効率よく脂肪を燃焼させられるのだ。

危険を避ける意味でも心拍は重要だ。220から自分の年齢を引いた数値は最大心拍の目安で、心拍数がこれを超えると心不全の危険があるので絶対に避けなければいけない。実際に心拍をモニターしてみるとわかるが、ジョギングでは意外なほどあっさりと危険な心拍数に達してしまう。特に高齢の人は心拍数をモニターするべきだ。

◆トレーニングセンターで自分の運動を分析する

本機を使ってジョギングやウォーキングを初めてから1週間もすると、運動したデータをトレーニングセンターに転送してグラフを見るのが楽しみになった。まだわずかな期間だが、ラップタイムの変化、ペースの落ち込み方などをみるとそれなりの変化がある。

トレーニングセンターでは走った距離、所要時間のほか、平均ペース、最高速度、消費カロリーが一覧で、ペースがグラフで表示される。また、グラフには勾配も表示可能だ。坂を登り始めるとペースが落ちているのがわかったりして面白い。

ただ、このグラフはどのように表示するか細かい設定ができないので困る場合がある。例えば走っている途中で立ち止まるとペースの変動幅が大きくなり、その影響でグラフが非常に見にくくなってしまう。しかもそれを修正する方法がないのだ。もっとも、走っているときに立ち止まるなどペースが乱れるときはこまめに記録を停止させれば、実用上の問題はない。

《山田正昭》

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