大阪ガス、家庭用燃料電池SOFCを実証実験---2010年型

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家庭用SOFC構造模式図
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大阪ガスは、京セラ、トヨタ自動車、アイシン精機と共同開発した家庭用固体酸化物形燃料電池(SOFC)コージェネレーションシステムの2010年度型機を供給エリア内の戸建住宅に41台設置し、実証実験を開始する。

家庭用SOFCは、定格発電効率45%以上と発電効率が高く、発電ユニットが小型で排熱利用給湯暖房ユニットもコンパクトに設計できるため、スペースに制約のある戸建住宅や集合住宅に適している。

今回、実証実験する2010年度型機は、従来機種よりCO2排出量とランニングコストの低減を図った。発電ユニットは、都市ガスを水素に改質する燃料改質器、電気を発生させるセルスタックなどで構成するモジュールの断熱性を高めることで、電気需要の大小にかかわらず高い発電効率を維持できる。

また、セルを結合する集電材のコーティング材料を改良したほか、セルスタックなどの劣化を防ぐ脱硫剤を増量して耐久性もアップした。排熱利用給湯暖房ユニットでは、貯湯タンクの容量を変更し、補助熱源機を潜熱回収型にすることでエネルギー効率の向上を図った。

大阪ガスは、2004年から京セラと家庭用SOFCの開発に着手、その後2009年3月からはトヨタ、アイシンを含めた4社で共同開発を開始した。また、排熱利用給湯暖房ユニットは、2006年から長府製作所と共同開発し、2009年12月には共同開発した実証機で実証実験を開始した。

今後、実証実験データをもとにシステムの信頼性・耐久性を検証し、機器のコストダウンやCO2削減などのレベルアップにも取り組み、家庭用SOFCの2010年代前半の開発完了を目指す。

《レスポンス編集部》

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