再捜査の末にひき逃げで起訴の女、初公判で否認

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昨年11月、滋賀県草津市内で漫然運転が原因で2人をひき逃げして死傷させたとして、道路交通法違反の罪に問われた31歳の女に対する初公判が8月31日、大津地裁で開かれた。被告の女は起訴内容を否認している。

起訴状によると、問題の事故は2009年11月6日夕方に発生している。草津市矢橋町の市道で、道路左側の路肩を歩いていた高齢の男女に対し、後ろから進行してきた軽乗用車が衝突した。69歳の男性が頭部強打でまもなく死亡し、63歳の女性が腰骨などを折る重傷を負った。

クルマはそのまま逃走したが、警察は後に31歳の女を自動車運転過失致死傷容疑で逮捕。女は「カーステレオの操作をしていて、前をよく見ていなかった」と供述しながらも、「人をはねた認識は無い」と強固に主張したため、検察は道交法違反(ひき逃げ)容疑については嫌疑不十分で不起訴としていた。しかし、被害者遺族の求めによって再捜査を行った結果、「ひき逃げが構成される」と判断。7月に道交法違反の罪で起訴していた。

8月31日に大津地裁で開かれた初公判で、被告の女は「事故当時、人に傷害を負わせた認識は無かった」として、ひき逃げ容疑を否認した。

続けて行われた冒頭陳述で検察側は「現場は見通しの良い直線路で、看板などの工作物は一切無い」として、人以外の障害物に衝突する可能性の少ないことを指摘。「フロントガラスの左半分が損壊したことは被告も認識しており、何かに当たったことはすぐにわかったはずだ」とした。

また、被告は警察への通報は行わなかったが、勤務先の上司には事故を起こしたことを電話などで事故直後に報告。持ち込んだ自動車修理工場で、損壊したフロントガラスに毛髪や血液が付着していたことから、人身事故を見抜かれて修理を拒否されたことも明らかにしている。

《石田真一》

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