天頂を意味するゼニスと名付けられた大きなガラス面積を持つフロントウインドーを採用した。正にその名前の通り運転席の真上までガラスに覆われている。運転操作中はそれを意識することはあまりないが、信号待ちなどで停車したときに見上げると、視界の広さや開放感の大きさに驚かされる。このウインドーによる爽快なドライブフィールが『C3』の大きな魅力だ。乗り心地の良さもC3ならではのもの。コンパクトカーなので油圧式サスペンションなどは採用していないが、少々荒れた路面でも快適な乗り心地がスポイルされることがない。このあたりはさすがシトロエンという印象だ。搭載エンジンは自然吸気の1.6リットルエンジンで電子制御4速ATとの組み合わせ。これまでにプジョー&シトロエンの多くのモデルに採用されてきたパワートレーンだ。BMWミニとの共同開発によるエンジンは、吹き上がりの滑らかさやパワーフィールなどが満足できるレベルにあるが、4速ATというのが何とも物足りない。今回のC3では騒音対策に力を入れたとのことで、市街地走行などではかなり静かな印象。特にエンジンの透過音はほとんど入ってこない。ただ、高速走行時にはロードノイズが大きめな印象。高速時にエンジン音が聞こえないのはロードノイズのためでもある。街乗り中心に使うクルマと考えたら良い。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★パワーソース:★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★松下宏|自動車評論家1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。
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