横浜の看護師死亡事故…信号は無視か、看過か

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昨年6月、神奈川県横浜市都筑区内で乗用車同士の衝突事故を起こした際に歩道へ乗り上げ、信号待ちをしていた看護師3人を死亡させたとして、自動車運転過失致死傷罪に問われた19歳の少年に対する初公判が18日、横浜地裁で開かれた。

起訴状によると、問題の事故は2009年6月1日夜に発生した。横浜市都筑区茅ケ崎中央(N35.32.32.8/E139.34.31.4)付近の市道を走行していた被告少年の運転する乗用車が、信号待ちをしていたクルマを追い抜き、赤信号の交差点に進入。対向車線側から青信号に従って右折してきたワゴン車と衝突した。

被告の乗用車はスピンしながら道路左側に逸脱。そのまま歩道に乗り上げ、信号待ちをしていた女性3人(31、43、49歳)をはねた。女性はそれぞれ数メートル弾き飛ばされ、全身を強打してまもなく死亡。右折車を運転していた41歳の男性も打撲などで全治20日あまりの重傷を負った。被告は現行犯逮捕され、その後に自動車運転過失致死傷の非行容疑で横浜家裁に送致されていたが、家裁は検察官送致(逆送)を決定。横浜地検はこれに基づき、少年を同罪で起訴していた。

これまでに公判前整理手続きが開かれており、公判では「被告は黄色信号を無視したのか、それとも看過したのか」に争点を絞って争うことが決まっている。

18日に行われた初公判で、被告の少年は事故で4人を死傷させたことについては認めたものの、「信号を確認したのは交差点の20〜30m手前であり、そのときのスピードでは止まれないと判断して交差点に進入した」として、信号無視については否認した。

続いて行われた冒頭陳述で検察側は「同一方向に走行していた前走車は黄色信号で減速していたが、被告のクルマは交差点の約44m手前で黄色信号を確認しつつも、前走車を追い越すために交差点の約30m手前で車線変更している」と指摘した。

これに対して弁護側は「被告のクルマは車線変更せず、前走車とは別の車線を進行していた」と主張。検察側に反論している。

さらに検察側の証人2人は「被告のクルマは前走車を追い抜いた」、「交差点進入時には信号が赤になっていた」と証言している。

《石田真一》

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