首都高、補修・点検デモ2010…ストップホール法を公開

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会場には東京大学や早稲田大学などの学生も参加した
  • 会場には東京大学や早稲田大学などの学生も参加した
  • 電磁石式磁化装置使用前ではどこまで亀裂が発生しているかわからない
  • 電磁石式磁化装置使用後 ブラックライトによって亀裂の発生部分が明確になる
  • ストップホール作成中の模様
  • ストップホール作成後
  • 鋼床板で補強した状態 発生した亀裂が長い場合にこの作業が行われる
  • 新しい鋼床板で補強され、取り外された鋼床板

首都高は3日、高速湾岸線 京浜大橋で「点検・補修デモ2010」を開催、同社の補修技術を媒体や、東京大学や早稲田大学などの学生38名に公開した。

デモは、首都高がおこなう橋脚の点検やメンテナンスを説明。構造物の点検から清掃方法、ビデオスコープや、赤外線などを用いたコンクリートの点検から、疲労損傷が見られる部分の補修作業など、実演を交えて説明した。

中でも疲労損傷補修のデモでは、橋梁を構成している鋼床版の溶接部に発生した疲労亀裂を「ストップホール法」という手法を使って補修作業を行った。

ストップホール法とは、発生している亀裂の先端に丸い穴をあけて、亀裂の応力の集中を緩和し、亀裂の進行を防ぐというもの。

まず、ストップホール法などの応急処置には亀裂が発生している部分を見つける必要がある。亀裂には、作業現場が暗所の部分もあり、目視で発見できないものも多数存在するため、それらの亀裂の発見には「電磁石式磁化装置」という電磁石を使用する。

亀裂発見までの流れとしては、最初に、亀裂が発生する確率が高い、鋼床版の溶接部に、電磁石式磁化装置を当て、検査面を磁化。磁化させた部分に「磁粉検査液」という特殊な液体を吹き付けることで、傷の部分に磁極を発生させ、ブラックライトでその部分を照らすことで、亀裂が発生しているかを検査。その亀裂の長さが短い場合に限り、ストップホール法で補修作業がおこなわれる。

この方法は亀裂の進行を防ぐ応急処置として使用され、その後は、亀裂部分に新たに特殊カッターで切り込みを入れ、鋼板の「当て板」をボルトを使って亀裂部周辺に固定するという補強作業が行われる。

《佐々木誠》

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