キャリブレーションをロボットで…ベクターとZMPが接続

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カラーリングは黄と赤の2種類
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ベクター・ジャパンとゼットエムピー(ZMP)は18日、ベクター・ジャパンの実車でのキャリブレーション(測定適合)として実績のあるツール「CANape」と、ZMPの10分の1スケールのカーロボティクス・プラットフォーム「RoboCar」を、オープンな汎用プロトコルであるXCPで接続することに合意したことを発表した。

CANapeは、ECUの内部状態からCAN/LIN/FlexRayなどのネットワークやセンサ、GPSやVIDEOなどを統合的に測定し、ECUのキャリブレーションを行うためのツール。

一方のRoboCarは、ステレオカメラによるリアルタイム画像処理(NECエレクトロニクス製高速並列画像処理チップ「IMAPCAR」搭載)を初めとする環境認識機能を、高精度・高剛性の4輪台社に搭載した、10分の1サイズの電気自動車プラットフォーム。Linuxの開発環境を搭載しており、C言語での開発が可能なことなどが特徴だ。自動運転、行動計画、衝突(障害物)回避、協調(交通)制御などのアルゴリズムを検証するのに適したクルマ型のプラットフォームである。

CANapeとRoboCarがXCPで接続できるようになることでのメリットのひとつとして挙げられているのが、RoboCarを用いてのACC(Adaptive Cruise Control:車速・車間制御機能)機能の開発を促進できること。CANapeはACCにおける測定およびキャリブレーションが可能なことから、ACC機能を有することからロボットカーとしても使用できRoboCarを活用することで、実車なしでの開発を行なえるというわけだ。さらには、教育・研修も実車なしで行え、開発・研究・教育コストの大幅な削減を実現できるのである。

ふたつ目は、総合的なキャリブレーション環境を実現できるので、ECUの視覚化が容易になること。RoboCarに搭載されている各種センサだけでなく、制御ソフトウェアの動作までも視覚化でき、動作結果に基づいた新たな動作の決定(定数の変更など)もCANapeから行なえるようになる。

3つ目は、RoboCarで開発に使用したCANapeはそのまま実車両で同じ開発環境として使用できるという点。RoboCarでの開発時に使用した測定データとの比較や、決定した制御用の定数の移行も行えるとしている。

《デイビー日高》

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