フォードモーターは29日、新しいデュアルクラッチ型トランスミッション、「パワーシフト」の生産をメキシコ工場で開始した。
パワーシフトは、すでにボルボ『C30』『S40』『V50』に採用。フォードとしては、まず『フィエスタ』と『フォーカス』に6速タイプを搭載することが決定している。
このデュアルクラッチ型トランスミッションは、もともとドイツのゲトラグ社が開発したもの。米国においては、フォードとゲトラグの合弁会社、ゲトラグアメリカのメキシコ工場で生産される運びとなった。
パワーシフトは、非常に効率の高いパワー伝達特性が特徴。たとえば、新型フォーカスの場合、直噴2.0リットル直列4気筒エンジンとの組み合わせで、燃費は旧フォーカスよりも、最大10%引き上げることに成功している。
また、MTよりも燃費性能が良好というメリットも備える。パワーシフト+1.6リットル直列4気筒のフィエスタは、米国EPA(環境保護局)予想燃費が17km/リットル。フォードとしては2011年モデルの『マスタングV6』に続いて、MTよりもATの方が、燃費に優れるモデルとなった。
フォードは、クラストップレベルの燃費性能を実現するパワーシフトのメキシコ生産により、米国で販売する幅広いモデルに、パワーシフトを拡大展開していく構えだ。