パナソニックは18日、ノートパソコンなどに使用されている18650サイズのニッケル系正極を採用した3.1Ah高容量リチウムイオン電池を開発し、12月から量産を開始した。
リチウムイオン電池は、軽量でエネルギー密度が高いのが特長で、ノートパソコンや携帯電話などのモバイル機器の電源として需要が拡大しているが異常発熱などの安全性に課題がある。同社は正極と負極の間に絶縁性の金属酸化物からなる耐熱層(HRL)という独自の安全技術を開発し、電池の内部で短絡が発生しても異常に発熱することを抑え、高容量と安全性の両立した技術を持つ。
同社が2006年度に商品化した2.9Ahの高容量リチウムイオン電池は、ニッケル系正極を採用した。今回量産開始した3.1Ah高容量リチウムイオン電池は、ニッケル系正極とHRLの採用をベースに改良を加えることで、18650サイズで業界最高の高容量を実現した。
このリチウムイオン電池の採用により、長時間の駆動力が得られる。また、エネルギー密度が高いことから、使用機器の小型化、軽量化にも寄与するほか、ニッケル系正極の採用により、実使用での耐久性と充電放置後の容量劣化が小さく保存性も高いとしている。