三菱重工プラスチックテクノロジーは17日、材質が異なる2種類の樹脂を一体加工できる大型電動二材回転射出成形機「emR」シリーズの実証試験拠点「1450emRトライセンター」を2010年2月1日に開設すると発表した。
同センターを開設するのは、樹脂部品の生産性向上や、自動車の軽量化を実現する金属部品の樹脂への代替など、二材一体成形に対する顧客の多様なニーズを掘り起こすのが狙い。また、成果を新製品開発にもつなげていく方針で、高度な樹脂成形市場の創出を目指す。
同センターは、本社と同じ敷地内にある岩塚工場の一角に約550平方mに開設する。トライ実証機として、最大1450tの型締力を持つ機種1台を設置し、周辺機器として取出機、金型温調システム、原料供給システムなどを配置、トライ用金型も用意する。
二材一体成形に関心を持つ企業は、同センターのトライ実証設備を実際に使ってみることで、自社の製造工程でこの技術を採用した場合のメリットについて現場感覚で理解してもらい、設備投資の判断を促す。同社にとっても、トライユーザーのさまざまな要望を、既存機種のカスタマイズ改修や、新しい機種の開発に反映させることで事業拡大を図っていく。
環境意識の高まりを背景に、自動車や家電などの製造業を中心に、燃費向上に直結する軽量化やライフサイクルでの省エネに寄与する製造工程に向け、部位・部品の樹脂一体成形に対するニーズが高まっており、二材一体成形など、多材質成形工法が市場の強い関心を集めている。同社では、同センターを樹脂成形産業の高度化を支援する場として積極活用することで多材質樹脂成形の可能性を広げる技術・製品開発に注力する。