トヨタ自動車は14日、12月よりリース販売を開始する『プリウス プラグインハイブリッド(PHV)』100台を、フランス・ストラスブール市へ導入することを発表した。
東京・丸の内の国際フォーラムでは、内山田トヨタ副社長とストラスブール市長ローランド・リース氏、仏電力会社EDFの日本・韓国地域総代表イゴール・ツェルニー氏によるキー引き渡し式を開催、会場には巨大なスノードームに包まれたプリウスPHVが出現した。
プリウスPHVは、家庭用電源から充電が可能なハイブリッド(HV)車。プリウスの電池容量を大きくし、モーターと電池のみで23.4kmの走行を可能とした。EV走行とHV走行を組み合わせた燃費消費率はJC08モードで57.0km/リットルで、実に1400kmもの航続距離を誇る。
ストラスブール市では約20年に渡り都市交通施策に力を注いでいる。95年には、増加し続ける自動車と公害への対策として「トラム」と呼ばれる路面電車網を築き上げ、都市交通への画期的な取組みとして欧米などで高い評価を得ている。以降も車の新しい利用の仕方としてカーシェアリングやマイカー相乗り運動を積極的に取入れ、渋滞・公害の減少に務めている。
今回、ストラスブール市は低炭素社会に向けた新しい都市間交通の取組みのひとつとして、トヨタのプリウスPHVを100台導入することを決定した。同市ではこれまでもEV実証実験のほか、先代のプリウスをPHV化した車両を用いた実証実験を2008年に実施している。
プリウスPHVを利用した実証実験では、電力会社EDFと協力し、PHVならではの航続距離の長さを活かした長距離実験をメインに実施する。リース市長は「都市交通施策に取り組むパイオニアとして、最先端の技術を最大限に利用し、低炭素社会に向けた持続可能な活動を続けて行きたい」と述べた。
今回のキー引き渡し式は、国際フォーラムで12月11日から25日まで開催されるクリスマス・マーケット「ストラスブールのマルシェ・ド・ノエル」の一イベントとして開催。会場にはプリウスPHVが包まれた巨大スノードームが展示されている。