ルノーは9日、『カングー』の商用バージョン、『カングーバン』をベースにしたEVを2011年前半から、フランス・モーブージュ工場で生産すると発表した。
モーブージュ工場は、カングー、『カングーBEBOP』、カングーバンの3車種を生産中。欧州で人気のLCV(ライト・コマーシャル・ビークル)のカングーバンに加わるEVも、モーブージュで生産することに決定した。
EVシステムは、ルノーが2009年9月のフランクフルトモーターショーで初公開した『カングーZ.E.コンセプト』と共通。Z.E.とはゼロエミッションの略で、都市部から郊外までをカバーするEVを提案していた。
トランスミッションの場所に置かれるモーターは、最大出力70ps、最大トルク23kgmを発生。2次電池は最新のリチウムイオンバッテリーで、最高速130km/h(リミッター作動)、最大航続距離160kmの実用性を確保する。充電は家庭用のコンセントなら約4 - 5時間。充電ステーションのクイックチャージャーなら、約20分で完了する。
ルノーは「新型EVは商用ユースに欠かせない維持費の安さを追求する」と語っている。
すでにルノーは、小型シティコミューターEVの『トゥイジーZ.E.コンセプト』をベースにしたEVを、2011年からスペイン・バジャドリッド工場で生産すると発表済み。カングーのEVと合わせて、EVの早期フルライン化を狙う。