富士通研究所は、窒化ガリウム(GaN)高電子移動度トランジスタ(HEMY)を用いて、8GHzから12GHzの周波数帯(X帯)で世界最高の効率53%と出力101Wを実現した増幅器を開発した。
従来のガリウムヒ素(GaAs)HEMTを用いたX帯向け増幅器に比べ、省電力化、電波の到達距離が2倍に伸びるとしている。
また、今回開発した技術を4GHzから8GHzの周波数帯(C帯)向け増幅器に適用することで世界最高出力343Wを実現。これは、昨年、同研究所が実現した世界最高出力320Wを更新するもので、従来のガリウムヒ素HEMTを用いた増幅器に比べ、電波の到達距離が2.6倍に伸びるとしている。
この技術を用いることで、高出力用途で用いられている進行波管増幅器の置き換えがいっそう進むと期待され、レーダー、衛星通信や次世代携帯電話基地局のワイヤレス通信機器などに用いる送信システムの小型・軽量化や高機能化、省電力化、長寿命化が図れるとしている。