住友金属工業と鹿島選鉱は、ダスト再資源化用の2基目のロータリーキルン(ナンバー2 RC資源循環炉)の営業運転を開始した。
これにより両社は、産業廃棄物ダスト再資源化事業を拡大する。
住友金属は、1975年にダストから鉄や亜鉛を回収する事業を開始した。製鉄所内(高炉、製鋼工場)で発生するダストには、鉄と亜鉛が含まれている。RC資源循環炉は、1300度の高温でダスト中のカーボンを使って鉄を還元し、製鉄原料として使用するための設備。ダスト中の亜鉛は炉内で還元蒸発し、集塵機で捕集され、亜鉛精錬原料として販売される。
この事業は、ダストから鉄と亜鉛を回収し、2次廃棄物が発生しないのが特長で「パーフェクトリサイクルシステム」と名付けている。このシステムで回収される鉄は「還元鉄」と呼ばれ、鉄鉱石と比べて製鉄時のエネルギー消費が少なくて済む。回収される亜鉛も天然の鉱石より高品位だ。
1987年からは、所内発生ダストに加え、社外から電気炉ダストや他産業の廃棄物を受け入れて処理してきた。最近では、自動車メーカーをはじめとする顧客企業からも、ダスト処理要請が強くなっている。これに対応するため、2本目となるRC資源循環炉を建設した。
ダスト処理能力の増加により、製鋼工場で亜鉛を含む安価なめっきスクラップの使用拡大が可能となり、製鉄所のコスト削減にも寄与する。