【池原照雄の単眼複眼】「高速道路1000円」でクルマを再認識

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◆遠乗りドライバーが確実に増える

ETC搭載の乗用車向けに高速道路料金を大幅に割り引く、いわゆる「1000円高速道」が今週20日から始まる。段階的な実施となるため当初は混乱も起こりそう。

しかし、これによって長距離ドライブをする人が増えるのは確実だ。観光地での消費拡大といった経済効果が見込まれるが、自動車業界にとってはクルマの楽しみ方をユーザーに再認識してもらう絶好の機会にもなる。

1000円高速道は、3連休初日となる20日の本四高速とアクアラインを皮切りに、28日からは地方部(大都市圏をまたぐ場合は除く)の高速道路にも広がる。

30日からは地方部での3割以上の平日割引がスタート。さらに大型連休初日の4月29日には大都市圏をまたぐ場合でも地方部は1000円だけとなる料金制度が始まる。


◆クルマが活躍するシーン

割引措置の前提となるETCについては、すでに2月から特需が本格化している。今月末までは乗用車で5250円、2輪車で1万5750円という国の補助金も支給(2年間の使用を義務付け)されるため、週末のカー用品ショップは近年にない賑わいを見せている。

長年、過大な道路整備財源を負担しながら、高速道路料金は「高いもの」とあきらめていた自動車ユーザーには、ワクワク感のある割引だ。帰省を新幹線からクルマに変更する人、あこがれていた温泉地に遠乗りを検討する人など、クルマが活躍するシーンが間違いなく増えそうだ。

国土交通省は、1000円高速道による経済効果は2年間で7000億 - 8000億円規模と見込んでいる。電車など他の交通機関の需要減もあるため、果たしてどの程度の効果があるかは見えづらいが、高速道からアクセスしやすい観光地の期待は膨らんでいる。


◆冷え込んだ市場の活性化に

もちろん、負の面もある。交通量の増加により事故のリスクは増えるし、渋滞も覚悟しなければならない。排ガスによる環境負荷も増大する。割引には年5000億円の予算が投じられるが、国の財政が大赤字のなかでの実施となる。

それでも、予算以上の経済効果がもたらされる可能性もあるのだから、やってみる価値はある。個人的には忘れかけていたドライブの楽しみを満喫できるようなプランを考えてみたいと思っている。

そうした人が増えれば、クルマの再認識を通じて需要の喚起にもつながるのではないか。自動車ディーラーには、冷え込んだ市場を活性化する好機となる。「1000円高速道」にまつわるドライブの提案など各種のイベントを通じて、ユーザーとのパイプを太くする、まとないチャンス到来だ。
《池原照雄》

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