てんかん発作で死傷事故、検察側が禁固刑を求める

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昨年3月、神奈川県横浜市鶴見区内でトラックを運転中、てんかん発作で意識を失った状態で歩道に突っ込む事故を起こし、歩行者2人を死傷させたとして、自動車運転過失致死傷罪に問われた45歳の男に対する論告求刑公判が18日、横浜地裁で開かれた。検察側は禁固4年を求刑している。

問題の事故は2008年3月9日午前に発生した。横浜市鶴見区下末吉3丁目付近の県道を走行中の普通トラックが対向車線に逸脱。そのまま道路右側の歩道に乗り上げ、信号待ちをしていた歩行者2人を次々にはねた。このうち14歳の男子中学生が死亡、27歳の男性も重傷を負った。

警察はトラックを運転していた44歳(当時)の男を逮捕。男は当初「居眠り運転をしていた」と供述していたが、突然意識を失う“てんかん発作”の症状があったことが発覚。事故当日は症状を抑える薬を服用していなかったことや、意識喪失を原因とする事故を2006年11月に起こしていたことも判明している。

18日に開かれた論告求刑公判で、検察側は「被告は発作を抑える薬を医師の指示や処方に従って服用していなかった」と指摘。この結果として運転中に意識を失い、これが発端で事故を起こしたとして、裁判所に対して禁固4年の実刑を求めた。

これに対して被告弁護側は「薬は服用していた」と反論。「医師が薬を服用しなかった際の危険性を被告に指摘しておらず、これ(クルマを運転する際の危険性)を認識できていなかった被告に過失責任はない」として無罪を主張している。

《石田真一》

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