三菱重工業は、「MACH-30G」ガスエンジンのシリーズに効率や信頼性を高めた新型ガスエンジン「MACH II-SI」を開発、実証運転を開始した。
同シリーズでは、従来の軽油など補助燃料を使う「マイクロパイロット着火方式」に代え、点火プラグを使用する「火花着火方式」(SI)を採用した。従来シリーズよりもさらなる効率向上を目指し、発電に蒸気エネルギー回収を合わせた効率で66.1%と出力6000kWクラスで世界最高水準を達成、発電効率単独でも従来シリーズ比で1%向上した。出力は3650 - 5750kW。
効率向上策としては、蒸気発生などによる熱回収や、排気エネルギーの有効利用に主眼を置いた設計とした。また、起動から100%負荷までの時間が従来比で半減、負荷追従性も向上した。加えて、発電効率を高めるため、シリンダーカバーやピストンなど燃焼室部品の形状を改善した。混合気形成および副室形状や空気比の最適化などにより燃焼を改善し、熱損失の低減を図った。
今回の最適化技術は、従来機種であるマイクロパイロット着火方式のMACHガスエンジンにも適用していく。