【ITS世界会議08】ケータイを活用したプローブ技術を世界にアピール…ユビークリンク

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プローブ技術を軸に展開されたVII

今回のITS世界会議の主要なトピックとして「プローブ技術の活用」がある。VII(Vehicle infrastructure Integration)といわれるインフラ協調型安全運転支援のショーケースが各自動車メーカーから披露されたが、いずれも大なり小なりプローブ技術をベースとする活用事例だった。

クルマをセンサーとして見立て位置情報を随時アップロードし、リアルタイムで交通情報を生成、それを車載情報端末へ配信することで渋滞緩和とCO2の削減・安全運転の支援に役立てるというのがプローブ技術。プローブのメリットは、車載のGPSと通信装置を必要とするのみでインフラ・車載ともにコストを抑えることができる点にある。そのかわりデータの集積が進むと大規模なサーバを構築せねばならず、リアルタイム交通情報を生成するためのデータ加工技術や高度なアルゴリズムが必要とされる。

この技術は、ホンダ・トヨタ・日産など自動車メーカーを初めとして日本が先行しているが、海外でも積極的に研究・実験が進められており、プローブ関連の技術展示やセッションでは大勢の研究者やエンジニアが集まっていた。

また、場内の展示ブースに置いても、欧州、北米、アジアを問わずプローブ関連事業者が目立つ。会場中央に置かれていた「未来の交通管制センター」ではプローブ技術をベースとしており、実用化に向けた準備は着々と進んでいることが伺える。

◆モバイルプローブの可能性を披露したユビークリンク

さて、そのプローブ技術展示のひとつに数えられるのが、今年よりITSジャパンの賛助会員となり、第15回ITS世界会議での初出展した「ユビークリンク」だ。同社は現在、日本国内において携帯電話向けのナビゲーションサービス「全力案内!」を展開している。

携帯電話でありながら、車載カーナビのような多機能・高性能をもつのが特徴で、なかでも携帯電話向けサービスとしては初めてタクシー会社によるプローブ交通情報を活かしたルート案内の実現は大きな注目点でもある。

同社が展示ブースが位置していたのは周囲に日本企業が数多く並ぶ一角。展示内容は、主に日本国内で展開している「全力案内!」で採用している技術をパネルで解説したものが中心となった。なかでも同社が採用している、全国1万1000台、東京都内だけでも約7000台のタクシーを使うことによるプローブについては関心が高く、そのシステムに対する問い合わせが多かったという。なかでも、プローブデータの情報収集を24時間走行しているタクシーに役割を負わせる手法を用いたことで生まれる高い実用性への関心が高かったようである。

一方で、ユビークリンクが事業を展開しているのは日本国内のみであるという側面もある。同社がITS世界会議への出展を行った理由はどこにあるのか、その狙いを同社事業企画本部バイスプレジデント・島次志氏に伺った。それによると、「確かに展示をすること自体、直接の効果はありません。しかし、我々が行っている事業を世界に向けて告知することで、代わりに別の情報を世界中から習得する。そんな場所としてこのITS世界会議の場を選びました」という。つまり、単に情報を欲しがるだけでは、相手も情報をもたらしてくれない。互いにメリットを享受できる関係であれば、互いの情報交換が進んでいくという。

同社はスペシャルセッションにおいて、同社事業に関連するスピーチを行う予定だ。

《会田肇》

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