フリースケール、低価格車向け16ビット マイクロコントローラを発表

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フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは20日、自動車産業のなかで成長分野である低価格車用の電気機械制御の計器クラスタ向けに設計され、費用対効果に優れた16ビット・マイクロコントローラ(MCU)の「S12HY」ファミリを発表した。

S12HYファミリは、低価格の16ビットMCUで、新たな車載市場であるコスト重視の計器アプリケーションに適応した性能と最適なオンチップ機能を備える。

フリースケールのグローバル・オートモーティブMCUマーケティング・マネージャのケビン・クラインは、「S12HYファミリは、中国やインドなどで急速に拡大する低価格車市場の『本当に必要とする性能』に照準を合わせた製品」と述べる。

S12HYマイクロコントローラでは、新興市場で現在利用されている機械式ソリューションから電子機械制御による最新の計器クラスタへ移行するために、各種機能が最適なレベルで集積化された。

部品数が少数に抑えられるとシステムコストを削減できる。内蔵される液晶ディスプレイ(LCD)ドライバは、LCDを装備する計器クラスタで最大160セグメントによる表示を行なう。オンチップのステッピング・モータ・コントローラは最大4つの計器を制御し、速度計や回転計などアナログ計器を正確にパルス制御できる。エンジンと計器クラスタのデータ通信を簡素化するコントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)モジュールもMCUに内蔵される。

S12HYファミリは、プログラム用として最大64 KBのオンチップFlashメモリ、およびデータ用として4 KBのFlashメモリを搭載し、それぞれがエラー訂正コード(ECC)機能を備える。Flashメモリを備えたフリースケールのMCUは、ROMを使用するデバイスに比べて価格競争力があるだけではなく、柔軟性の点でも優れる。

Flashベースのソリューションを導入すれば、再プログラムに対応した16ビットMCU製品1つで多種多様な計器クラスタを設計することが可能になる。計器開発が容易になると、システ・コスト削減、製造ロジスティックスの単純化、製品を市場投入する期間の短縮が可能になる。

マーケティング・マネージャのクラインは「ユーザーが必要とする以上の機能を提供する高コストのソリューションを、メーカーが選択する必要があるだろうか。S12HYファミリは、コスト重視の計器デザインに求めるオンチップの機能、およびパッケージやメモリのオプションが最適に組み合わされている。電子制御の基本的な計器クラスタの設計において、必要十分な製品だ」と説明する。

S12HYファミリのサンプル出荷は12月を予定している。

《高木啓》

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