NECエレクトロニクスは、NEC中央研究所の並列プロセッサ技術を活用して、自動車の運転支援システムなどに用いられる画像認識用システムLSIについて4品種を開発、『IMAPCAR(アイマップカー)2』の名称で2009年上期から順次サンプル出荷する。
新製品は、同社が2006年8月に発売した128個の演算ユニットを100メガヘルツで並列処理することで、毎秒30ビデオフレームの画像認識が可能な画像認識用並列プロセッサ「IMAPCAR」の後継製品。128個の各演算ユニットが1度に処理可能なデータ量を従来品の8ビットから16ビットへ倍増、演算ユニットで同時に実行できる最大命令数(VLIW命令数)を4命令から5命令に増やしているため、より高速な処理が可能だ。
また、SIMD動作により全演算ユニットが同じ処理を行っていた従来品に対し、新たにマルチプロセッサ動作機能を持つため、従来よりも多様なアルゴリズムを並列処理で高速化できる。さらに、処理性能を従来品の3倍に向上させた高速品から価格を従来品の5分の1まで低減した普及品まで4品種を揃え、高性能システムから普及システムまで様々なシステムに対応することが可能だ。
新製品のうち、特に高速品を採用することでユーザーは、より複雑なアルゴリズムを用いた処理、より解像度の高い画像を対象とした認識、複数のカメラからの情報を統合することによる的確な状況判断を行えるシステムの構築が可能となる。このほか、普及品を採用することで、従来システムをより低価格に、従来システムに比べてより普及版のシステムを容易に構築できるようになるとしている。