南米最大の化学メーカーのブラスケン社は、2011年までに、世界で初めて商業生産を開始する植物由来ポリエチレンに関し、日本を含むアジア地区の販売パートナーとして豊田通商と業務提携を行うことで合意した。
ブラスケンは、同社トリウンフォ工場で、穀物ではないサトウキビから作られるエタノールを原料として、高密度ポリエチレン(HDPE)及び低密度ポリエチレン(LDPE)をあわせて年間20万トン生産する予定。
地球温暖化を背景に、CO2削減効果の高い植物由来プラスチックの需要が拡大しており、石油を代替し植物から製造されるポリエチレンは、CO2の削減に大きく寄与すると同時に、従来の植物由来プラスチックで課題となっていた加工性・物性についても、世界で最も広く使われる石油由来ポリエチレンと同等であるため、既存の加工設備・リサイクルシステムをそのまま活用できるという利点がある。これらの長所から、各種ボトル・容器、レジ袋・ゴミ袋・物流資材・食品包装などのフィルム、衛生用品、自動車部品をはじめとした多岐にわたる用途への利用が見込まれている。
豊田通商は、ブラスケンが行う植物由来プラスチック開発プロジェクトに参加し、昨年、ブラスケン技術革新センター内の試験生産設備で、サトウキビ由来エタノールを原料としたポリエチレンの製造に成功した。世界で初めて100%バイオマス由来であることが、米国材料試験協会が定める測定法に基づいて、放射性炭素測定研究所ベータ・アナリティック社により認証された。
このポリエチレンは、2008年10月15日〜17日に、パシフィコ横浜で開催される「バイオジャパン2008」で展示・紹介するとともに、ブラスケンによる講演も予定している。