ローマ法王に「燃料切れ」の危機…アリタリア再建

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経営危機の伊アリタリア航空は、操縦士と客室乗務員(CA)の組合が相次いで労使交渉のテーブルから離脱し、再建計画は困難を極めている。

アリタリアは8月末、救済受け皿会社の骨子が決まったばかり。会長には、ピアッジョ社会長のロベルト・コラニンノ氏が決まっていた。4月に合併交渉を中断したエールフランス-KLMグループも、新会社に出資する方向で検討を進めていた。

そうした中、会社側、大株主である政府関係者、および労働組合で、11日までに結論を出すことを目標に労使交渉が始まっていた。

ところが3000-7000人規模の人員削減案や最大25%の減給案などに、労働側が強く反対。9日に操縦士で構成する組合が交渉から離脱したのに続き、CAの組合も離脱した。13日土曜日には、ローマ・フィウミチーノの空港ターミナルで従業員らのデモが行なわれ、地上勤務職員も運動に合流した。

交渉が妥結しない場合、会社側は15日月曜日から一部従業員のレイオフ(一時帰休)を開始するとの説もある。また経営悪化により、同じく月曜日から燃料供給に支障をきたし、国内線の一部路線の運休が始まるとの情報もある。

現在アリタリアは、毎月1億ユーロ(153億円)ずつの赤字を生んでいる。政府からの借入金返済猶予を受けながら死に神のごとく生き延びてきた同社にも、いよいよ正念場が訪れたかたちだ。

ちなみに現在、フランス訪問中のローマ法王ヴェネディクト16世が使用しているのはアリタリアの特別機である。法王の帰国便も無事飛び立つことを祈ろう、というのはブラックジョークすぎるだろうか。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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