事前情報だけの時点では、デザインや話題性優先のキャラクターグッズ的なイメージを抱いていました。でも実際に触れてみると、トヨタ『iQ』はクルマとして真面目に造られ、完成度も高いと強く感じました。
ただそれゆえに、プラス・マイナスそれぞれの面があると思います。まずプラス面は、走り、乗り心地、静粛性、安全性のどれもが既存の1リッター車を凌駕するレベルなのは間違いなく、コンパクトカーに不安や不満を感じていたユーザー意識を塗り替えることでしょう。
日本仕様はガソリン+CVTだけど、のちにMTや排気量アップモデルが加わる可能性もゼロではないので、走り好きなユーザーも注目です。
マイナス面は、真面目すぎて「所有する歓び」を生む要素が曖昧な気がします。軽自動車と比較して、あえてiQを選ぶ魅力は何か? もっと大きなプレミアムカーから、iQに乗り換えても満足できるか? その要素が加われば、iQの存在価値は唯一無二になると思います。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
まるも亜希子|カーライフ・ジャーナリスト
大学在学中に声優デビュー、卒業後は自動車専門誌で編集者を6年間務める。2003年、カーライフ・ジャーナリストとして独立し、クルマのある生活を様々な角度から検証・提案する活動を開始。雑誌、ウェブ等への寄稿&プロデュース、ラジオ、CS、イベントへの出演等を軸に活動中。また、輝く女性のためのサイト『ABILC』(アビリーク)を立ち上げ、アクティブに美しく生きる女性への情報やコラムを発信。2004年、2005年には、サハラ砂漠2500kmを走破する女性だけのラリーに挑戦し、日本人チームとして初めて完走。COTY選考委員。