5人死傷事故の被告、心神喪失で二審も無罪に

自動車 社会 社会

2004年11月、大阪府茨木市内の市道で乗用車を暴走させ、歩行者を次々にはねて5人を死傷させたとして、殺人と殺人未遂罪に問われた27歳の男に対する控訴審判決公判が24日、大阪高歳で開かれた。裁判所は「事故当時の被告は心神喪失状態であり、刑事責任能力なし」と判断した一審の無罪判決を支持。検察側の控訴を棄却した。

問題の事故は2004年11月18日早朝に発生した。茨木市中穂積3丁目付近の幅員約2.5m程度の市道を走行していた乗用車が暴走。前走していた自転車を追いかけまわすようにして衝突を繰り返し、2人が死亡し、3人が重軽傷を負った。

クルマは現場近くに住む25歳(当時)の男が運転していたが、男は「人を殺そうと思った」などと供述。殺人や殺人未遂の罪で起訴されたものの、一方で男は「悪魔の声に命令された」などとも供述。精神科への通院歴もあり、刑事責任能力の有無が争点となっていた。

一審の大阪地裁は「被告は統合失調症の症状が急激に悪化し、事故直前は幻聴に支配されていた」と判断。「犯行当時は心神喪失状態であり、刑事責任能力なし」と認定して無罪判決を言い渡したが、検察は「事故当時は心神耗弱であり、被告には限定的な責任能力があった」と主張し、控訴していた。

24日に開かれた控訴審判決公判で、大阪高歳の古川博裁判長は「事件直前の被告が悪魔の声と称する幻聴に支配され、犯行に及んだと判断した一審段階の精神鑑定は信用できる」として、一審判決を支持。無期懲役を求めた検察側の控訴を棄却している。

なお、被告は一審判決後から精神科のある病院に措置入院しており、社会復帰の目処はないという。
《石田真一》

編集部おすすめのニュース

特集