殺人行為の最中に事故に遭ったと判断、起訴

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昨年12月に福岡県北九州市小倉南区内で発生した交通事故について、検察庁・福岡地検小倉支部は2日、事故で死亡した35歳の女性は、同じ事故で重傷を負った27歳の男が首を絞めて殺害を図っている最中に事故に遭ったと判断。男を殺人罪で起訴した。

問題の事故は2007年12月2日未明に発生している。北九州市小倉南区下曽根付近の県道を走行していた大型タンクローリーが、横断歩道上に倒れこんでいた男女2人を次々にはねた。

この事故で35歳の女性が全身強打で死亡し、27歳の男も重傷を負ったが、事故の目撃者は「事故直前に男が女性に馬乗りになっていた」と証言。女性の首には絞められたような痕跡があり、警察では男が女性の首を絞めたものとして、殺人未遂容疑で逮捕している。

検察では慎重に捜査を続けてきたが、現場となった道路は交通量が多いことを男が熟知していた可能性が高いこと。そして「そうした道路に倒れこめば、クルマにはねられる危険性が高いことも認識していた」と判断。

女性の死因は心停止と頭部挫滅だが、前者は首絞めによるもの。後者は事故によるものと推定しており、「男はいかなる手段をもってしても女性を殺害する意図があった」、「首絞めの最中にはねられたが、こうした事故も予測の範囲内だった」と結論付け、男を殺人罪で起訴した。

男は首を絞めた事実については認めているものの、殺意については否認。公判で真っ向から争う事態になることは間違いないとみられる。

《石田真一》

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