NTNと名古屋市工業研究所、低摩擦な軸受を開発

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NTNと名古屋市工業研究所、低摩擦な軸受を開発
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NTNと名古屋市工業研究所は、潤滑性の高い硫化マンガン(MnS)を適量配合したステンレス系耐蝕・低摩擦焼結含油軸受を共同開発した。耐焼付性能・耐摩耗性能が高く、既に量産納入している。

母材が青銅系や鉄系の焼結軸受では、固体潤滑剤として黒鉛(C)、二硫化モリブテン(MoS2)、鉛(Pb)などを配合するが、母材がステンレス材の場合は黒鉛や二硫化モリブテンを配合すると焼結時に化合物が生成され、硬度が母材より高くなり、相手軸への攻撃性が生じるので滑り軸受には適さない。また、潤滑剤として効果が高い鉛は、人体に有害な物質として世界的に使用が規制されている。

このため、NTNと名古屋市工業研究所は、母材をステンレス材とし、硫化マンガンを適度に配合した低摩擦ステンレス焼結含油軸受を開発した。摺動時に硫化マンガン中の硫黄により潤滑性・極圧性の高い膜が形成されるので耐焼付性・耐摩耗性が高い。さらに、硫化マンガンは、ステンレス鋼中の酸化クロムによる不動態膜の形成を阻害しないため、耐蝕性能の高い滑り軸受となる。

このMnS配合ステンレス焼結含油軸受は、腐食性環境下において問題なく使用でき、長時間にわたって低トルクを実現する。すでに「IT機器」向けにステンレス製転がり軸受に代わって本焼結含油軸受を受注、継続量産納入中だ。 今回開発した本軸受は、4月16 - 18日に幕張メッセで開催される「第17回モーション・エンジニアリング展」に出展する。

《レスポンス編集部》

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