昨年11月、和歌山県岩出市内の県道で、大型トレーラーに積載していたゴミ収納容器(重量約4トン)を脱落させ、対向車の運転手を死亡させたとして、自動車運転過失致死罪に問われた31歳の男に対する論告求刑公判が21日、和歌山地裁で開かれた。検察側は禁固1年6か月を求めている。
問題の事故は2007年11月19日早朝に発生した。岩出市押川付近の県道・風吹トンネル(全長312m)を走行中の大型トレーラーが、トンネル内の左側側壁に接触。荷台に積載していたホッパーと呼ばれるゴミ収納容器が対向車線側に落下した。
ホッパーは対向車線を走行してきた69歳男性が運転する大型トラックを直撃。大型トラックの運転席部分は大破し、運転していた男性が頭部強打で即死。警察ではトレーラーを運転していた30歳(当時)の男を自動車運転過失致死の現行犯で逮捕。検察はその後、男を同罪で起訴していた。
21日に和歌山地裁で開かれた論告求刑公判で、検察側は「ホッパーは積載状態でも荷台からはみ出していた」と指摘した。その上で「対向してきた大型トラックの存在に気づきながら、すれ違えるものと安易に考えてトンネル内に進入。結果としてホッパーは側壁に接触し、対向車線側に落下した」として、禁固1年6か月を求刑している。