北海道警は2月25日、健常者と同水準の視力があるにもかかわらず全盲を装い、視力障害1級の認定を受け、生活保護費を騙し取っていたとして、50歳の男を詐欺容疑で逮捕した。虚偽の交通事故通報が逮捕のきっかけになったという。
北海道警・札幌南署によると、詐欺容疑で逮捕されたのは北海道札幌市南区内に在住する50歳の男。この男は健常者と同水準の視力があるにもかかわらず、医師に虚偽の申告を行い、視覚障害1級(全盲)の認定を受け、2007年11月から今年2月までの4か月間に支給された生活保護費のうち、障害加算額と重度障害加算額(約16万5000円)を騙し取った疑いがもたれている。
男は2006年6月ごろから判明しているだけて24件のひき逃げ被害を訴えていたが、「赤色のクルマにひき逃げされた」、「ひき逃げしたクルマは○○だった」などと具体的な証言を行っていた。警察は全盲とする男が具体的証言することを不審に思い、この点を追及したが「目撃者に教えてもらった」などと言い逃れをしていた。
ところがその目撃者の存在がはっきりしないことや、報告事故件数の多さから、警察では「保険金詐欺の疑いもある」として、さらに捜査を進めていたところ、男が2007年10月に運転免許証の更新を行っていたことが発覚。この際に測定した視力は0.7以上だったことがわかった。
警察では札幌市にこの事実を報告。2月25日までに詐欺容疑で逮捕した。不正受給の総額はは2003年からの5年間で約200万円になるという。警察では他にも詐欺の余罪があるとみて、男を厳しく追及している。