泥酔状態で運転、正面衝突を起こした男に懲役10年を求刑

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2007年5月、埼玉県春日部市内で乗用車を泥酔状態で運転し、対向車と衝突する事故を起こして3人を死傷させたとして、危険運転致死傷罪に問われている21歳の男に対する論告求刑公判が1日、さいたま地裁で開かれた。検察は懲役10年の実刑を求めている。

問題の事故は2007年5月6日の午前1時20分ごろ発生した。春日部市内牧付近の県道を走行していた乗用車が対向車線側に逸脱、対向車線を順走していた軽トラックと軽乗用車に相次いで衝突した。軽トラックは大破し、運転していた中国籍を持つ47歳の男性が全身強打で死亡、助手席に同乗していた44歳の男性と、後続の軽乗用車を運転していた22歳の女性が打撲などの軽傷を負っている。

逸脱したクルマを運転していた21歳の男は直立していられないほどの泥酔状態で、事故後のアルコール検知では呼気1リットルあたり0.85ミリグラムのアルコール分も検出。後の調べで事故の約6時間前から大量の飲酒を行っていたことも判明。危険運転致死傷罪で起訴されていた。

1日にさいたま地裁で行われた論告求刑公判において、検察側は「被告は以前にも酒気帯び運転で検挙されたにもかかわらず、飲酒運転を繰り返した」と指摘。「事故当時はアルコールの影響で正常な運転ができなかったことは明らかだ」として、裁判所に対して懲役10年を求刑した。

これに対して弁護側は「事故当時は正常な運転ができないほどの状態ではなく、高い濃度を示したアルコール検知結果にも疑問が残る」と主張。裁判所に業務上過失致死傷罪の適用を求める陳述を行った。

《石田真一》

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