日産自動車は1日、2008年3月期の第3四半期決算を発表した。12月までの9カ月通算では営業利益が前年同期比8.9%増の5791億円と順調に推移しているものの、通期の業績予想は期首時点のまま据え置いた。
第3四半期は、世界販売が同13.0%増の89万8000台と、欧州およびアジア、中東などの一般海外地域の好調で大きく伸びた。売上高は18.2%増の2兆7701億円、営業利益は15.8%増の2119億円と大幅な増収増益だった。
ただ、今後のリスクについてインセンティブの増加や原油高による車種構成の悪化、米国の市場動向などを挙げ、通期の予想は据え置いている。営業利益は3.0%増の8000億円、純利益は4.2%増の4800億円の予想。
田川丈二執行役員は、米国のサブプライム問題の影響は「市場の台数減少や円高進行など間違いなくある」と指摘、今後の米国市場動向に懸念を示した。