米国デュポン社は、欧州の自動車用塗料メーカーのドイツ・ボリング&ケンパー社との間で、デュポンのコーティング技術である「デュポン・エコ・コンセプト」についてライセンス契約を締結したと発表した。
ケルンに本拠を置くボリング&ケンパー社は、ライセンス契約の下、ドイツおよびヨーロッパの他の地域に所在する自動車メーカー向けにエコ・コンセプトの水性ベースコートを製造、販売する。
エコ・コンセプトのコーティング技術は、「プライマーサーフェサー」といわれる中塗工程を排除し、環境に優しい「水性ベースコート」にその機能を集約させた。
2つの塗装プロセスを1つに集約することにより、従来の3層塗装プロセスに要する時間と設備費用の削減が可能となり。その結果、自動車製造ラインから中塗工程の塗装ブースや焼付ブースといった設備が不用になるという。
この技術により、自動車メーカーは、エネルギー使用量、環境排出物および資本コストを大幅に削減することが可能となり、特に、塗装プロセスにおけるエネルギー消費量や溶剤の排出量を約25%削減でき、また、生産車両1台につき45-50キログラムの二酸化炭素の排出を削減する。
エコ・コンセプト技術は、すでにメキシコおよびスペインにあるフォルクスワーゲンの工場で採用され、今回ボリング&ケンパー社とライセンス契約を締結したことで、多くの自動車メーカーにこの技術が採用される見通しだ。