車載用での地デジへの関心が急速に高まるにつれ、ユーザーがとくに気にし始めているのがチューナーの受信能力だ。
アナログ時代は電波が弱くなってもノイズを混入しながら何となくつながっていたものだが、デジタルになると電波がある一定以下になるとプツッと途絶えてしまう。実は、ユーザーが地デジに対して不満を持っているのはこの部分。受信したときの安定した画面を評価する一方で、ビル陰などで発生するこの症状に対策を求める声は大きい。
そんな中で、クラリオンはその起死回生策として「4アンテナ×4チューナー」システムを地デジチューナーに導入した。これによって、かつてない安定した受信能力を確保したのである。その原理を一言で言えば、受信経路が増えることで安定受信のチャンスが広がったということ。もちろん、これに伴ってメモリの容量も増やさなければいけないし、これを瞬時に処理するCPUの搭載も不可欠。クラリオンはこの安定受信のために、その技術を惜しみなく投入している。
また、このシステムの導入は12セグでの受信エリアがさらに拡大するというメリットももたらしている。従来ならワンセグに切り替わってしまったエリアでも、高画質な12セグ放送のままでTV放送が楽しめるというわけだ。そして、見逃せないのはモニターに7.0型WVGAを採用していること。その解像度は800×480ドットと従来モニターの約4倍! 地デジはハイビジョン画質で送信されているが、その高精細な映像を少しでも活かすには解像力の高いモニターとの組み合わせが必須なのだ。視聴してみると、細部までが実に細かく表現され、階調も十分に豊か。
さらに、このモニターはコントラストがかなり高いので、日中の視聴でもその美しさを十分堪能できる。「4アンテナ×4チューナー」の安定受信と、WVGAモニターの組み合わせ。これこそが地デジ時代にふさわしい組み合わせと言えるのではないだろうか。