クライスラーは中国の自動車メーカーチェリーとの提携に合意し、今後中国国内でチェリーが生産する小型車を、ヨーロッパ、北米に輸出、クライスラーのブランド名で販売する計画を明らかにした。
クライスラーはこの提携により、自社製品の一部をアウトソースする米国では初の企業となる。ただし、現時点では「チェリー製クライスラー」の発売時期、販売モデル、価格などについては明らかにされていない。
米国内では、ダイムラークライスラーからクライスラー部門がサーベラスに売却完了後、すぐにも中国での生産が始まる、と予想されている。元々サーベラスは経営再建、コスト節約の観点から海外での生産拠点への移譲に積極的な姿勢を見せて来た。
しかし米国内では中国製のタイヤ45万本のリコール騒動、中国製ペットフードによるペット死亡、パナマでの中国製医薬品による子どもの死亡などを受け、中国製品に対する警戒が強まっている。また、チェリーは2004年にGMから「製品デザインがGMのコピーである」と訴えられた経緯もある企業。
そのため、たとえクライスラーのブランドを被せても中国製の車が即座に米市場に受け入れられる可能性は低い、と指摘する声もある。
今回のクライスラーの試みの結果次第で中国製品、特に中国製の自動車に対する米国での評価が定まる、と言っても過言ではない。