泥酔運転で歩道乗り上げの男に猶予付きの有罪判決

自動車 社会 社会

昨年11月、京都府向日市内の府道で飲酒運転を行い、蛇行運転を繰り返した後に集団下校していた小学生児童の列に対して突っ込む事故を起こし、2人に重傷を負わせたとして危険運転致傷罪に問われた66歳の男に対する判決公判が15日、京都地裁で開かれた。裁判所は情状酌量を認め、執行猶予付きの有罪を命じている。

問題の事故は2006年11月20日夕方に発生した。向日市寺戸町西ノ段付近の府道を小学生児童が集団下校していたところ、軽トラックが歩道に乗り上げた。クルマは8歳の男児2人に衝突。2人は骨折や打撲などの重傷を負った。

警察はクルマを運転していた65歳(当時)の男を業務上過失傷害や道路交通法違反(酒気帯び運転)の現行犯で逮捕している。後に泥酔状態で正常な運転をできる状態にはなかったと判断され、危険運転致傷罪で起訴。初公判で検察側は「被告は事故当日の午後から現場近くの競輪場にある食堂で焼酎の水割りをコップ4杯飲んでいた」として、事故当時は泥酔の状態だったことを指摘していた。

15日に行われた判決公判で京都地裁の柴田厚司裁判官は、被告が酒に酔っていたことを自覚しながら運転し、歩道乗り上げの直前にも民家の塀に接触する事故を起こしていたことを指摘。「飲酒運転の発覚を恐れて逃走する途中に事故を起こしており、身勝手で短絡的な動機に酌量の余地はない」とした。

しかし、被告が自宅などを売却し、被害者への弁済を行ったことは評価。「刑事責任は重い」としつつも、この部分において酌量の余地を認め、被告に対して懲役2年6カ月(執行猶予4年)の有罪判決を言い渡している。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース