14日夕方、福島県会津若松市内で乗用車が無人のまま走り出し、電柱に衝突する事故が起きた。所有していた男性は「クルマが盗難された」と届け出ていたが、後の調べでこの男性が適切に駐車せず、勝手にクルマが動き出していたことが判明している。
福島県警・会津若松署によると、14日の午後5時20分ごろ、会津若松市天寧寺町付近で買い物をしていた71歳の男性から「路上に止めていたクルマが無い。盗まれたようだ」との通報が警察に寄せられた。通報を受けた同署員が周辺の捜索を実施したところ、男性が買い物をしていた場所から約100m離れた市道の電柱に衝突し、小破しているクルマを発見した。
クルマはエンジンが掛かったまま。オートマチックのシフトレバーはD(ドライブ)レンジに入った状態で放置されていた。このため警察では「盗んだ者が事故を起こした可能性がある」と推測したが、事故の目撃者は「クルマは無人で走ってきて、電柱にぶつかった」と証言していた。
調べを進めた結果、所有していた男性がクルマをDレンジに入れたまま降車していたことが判明。オートマチック車であるため、通常はDレンジに入れたままだとクリープ現象によって低速で動き出すが、男性のクルマはこれが弱く、停止状態を維持できたらしい。
会津若松市内では2005年11月にサイドブレーキを掛け忘れたトラックが無人のまま暴走し、3歳の男児が巻き込まれて死亡する事故も起きている。このため警察では「適切な駐車措置を怠り、他者への危険を与えた」と判断して、道路交通法違反(停止処置義務違反)容疑で男性を書類送検する方針だ。