踏切を安全に渡るために列車を止める 実刑判決

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自分が踏切を安全に渡りきることを目的に、列車非常停止ボタンを操作したとして鉄道営業法違反の罪に問われた79歳の男に対する判決公判が13日、京都地裁で開かれた。裁判所は「規範意識が欠如している」として、男に懲役8カ月の実刑を命じている。

この男は今年2月13日午前、京都府京都市伏見区内のJR奈良線踏切で、踏切の非常通報装置(列車停止装置)を持っていた杖で押し、列車側の信号を赤にした状態で踏切を横断。上下4本の列車を一時的にストップさせ、約400人の足に影響を与えるなど、鉄道営業を妨害したとして検挙された。

男は2005年にも同様の事件を起こしており、同年11月には同地裁が懲役6カ月(執行猶予3年)の有罪判決を言い渡していた。今回の事件は執行猶予中に起こした同様の犯罪であり、検察は被告の故意と常習性を指摘。これに対して被告は「足が悪く、横断中に遮断機が下りたら誰も助けてくれないと思った。安心して横断するためには仕方なかった」などと主張していた。

13日に行われた判決公判で、京都地裁の三輪篤志裁判官は「被告は他人の迷惑を顧みようとせず身勝手。列車が急ブレーキを掛ければ車内で乗客を転倒させかねない」と指摘。さらに「規範意識が欠如している。執行猶予中に前回とと同じ犯行に及び、さらなる再犯の恐れも否定できない」として、被告に対して懲役8カ月の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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