日産の新デザインセンターが見せてくれたこと

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 セクションの壁を取り払おう

デザインセンターのコモンスペースから3階に上り、普段はスタッフだけが入ることのできるデザインエリアに入る。入り口には「It all starts with a single line」の文字が。その先の回廊に描かれた鉛筆と線の絵と合わせ、一本の線からすべてが始まるというデザインのフィロソフィを表しているのだという。

その先はデザイナーと商品企画のワークスペース。通常、商品企画とデザイナーの活動場所は別々である。商品企画がまずどのようなクルマを作ればいいかを考え、企画が決まってからデザイン作業に入るのが、常識的なワークフローだからだ。そのフロー自体は日産も同じなのだが、商品企画とデザイナーを同じ場所で作業するようにしたのは、デザインのトレンドやユニークな発想を両者が共有したほうが、より優れたデザインのクルマを作れるのではないかという考えからだ。

「デザイナーの出すアイデア、とくに市販車から少し離れた先行デザインなどを目にすることで、商品企画スタッフはより独創的な企画を出せるようになる。また商品企画の側からデザイナーに面白い提案をするといったことを通じて、デザイナーのほうもインスピレーションを得る機会が増えるでしょう。セクションの壁を取り払って、異なる部門同士のコミュニケーションを深めることは、クルマ作りを進化させる上で非常に重要だという日産の思想が基本にあります」(デザイン担当者)

デザインルームには観葉植物が豊富に置かれ、天井にはエアスポーツ好きなデザイナーが作ったという斬新な先尾翼型グライダーのモックアップが吊られるなど、お洒落なムード満点。また、建築物や人体などからデザインファクターを抽出した、いわばクルマのデザインの種とも言えるオブジェも置かれるなど、クリエイティブ空間らしさは満点。日産の他部門がうらやむほどの充実ぶりだった。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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