トラシンダショックでGM株下落

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トラシンダショックでGM株下落
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アメリカの大手投資会社、トラシンダ社がGMの株式保有率を9.9%から7.4%に切り下げた。これによりGM株価は5.3%急落、今後もさらなる株価下落の予測がなされている。

トラシンダはカーク・カーコリアン会長のもと、クライスラーへの敵対的買収など自動車メーカーへの多大な関与がたびたび話題になる会社だ。

このところトラシンダはGMの経営に大きく関与しており、今年2月には同社のジェリー・ヨーク氏がGMの役員会メンバーとして参加していた。この動きを受け、昨年最低を記録したGM株価は今年に入って67%もの持ち直しを見せた。

しかし、カーコリアン氏はかねてからGMとルノー/日産グループとの提携推進派であり、今年9月に両社の話し合いが決裂したことでGM首脳陣に対する失望を深めた。10月にはヨーク氏が役員会から辞任し、カーコリアン氏もGM株を一部手放したことで、ウォール街にはGM株下落の悲観的な見方が強まっていた。

米投資家の中には、「GM株を買う唯一の理由はカーコリアン氏が大株主であるから」と言う人もあり、今後のトラシンダ社の動き次第ではGM株が昨年並みの下落となる可能性も浮上している。

業界アナリストは、GM株の下落を避けるためには、「投資家が今回のニュースでGM株の放出を始める前に、今年前半にGMが発表したリストラ策により同社の経営の大幅な改善が認められ、それが来年以降も続くことを見せつける必要がある」と語っている。

しかし今年の第3四半期までの数字を見る限り、GMの不安材料が解消したとは言えず、第4四半期の数字も多くは期待できないのが現状だ。さらなる株価下落の危機にさらされたGMの次の策は?

《Sachiko Hijikata, US editor》

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