日本総合研究所はこのほど、日本の自動車産業の市場動向展望について、レポートを発表した。それによると、日本の中期的な自動車産業の市場動向を次のように展望している。
国内需要は、懸念が強まっている人口動態の影響に焦点を当てて新車購入台数を試算すると、2005年をピークに減少傾向に転じる見通し。自動車購入意欲が強い若年層の世帯数が減少する一方、急増する高齢者世帯では購入意欲が弱いことが主因。
もっとも、新車購入台数が急激に落ち込む事態には至らず、減少ペースは年平均マイナス0.7%と緩やかで、高付加価値化・所得増を通じて1台当たりの購入金額を引き上げることが可能なため、金額ベースの市場規模は現在の水準で維持される見通し。
ただ、車種構造は、少子高齢化の進行によって大きく変化する見込み。1500cc以下の需要は堅調を維持するものの、1501〜3000ccの需要の落ち込みが相対的に大きくなる公算。
海外需要は、海外経済に高い成長が期待できるため、引き続き増勢が持続する見通し。とりわけ、2002年以降の輸出の増勢拡大の原因として注目されるのは、アジア・中東・ロシア・中南米など開発途上国向け輸出の寄与度が高まったことで、今後を展望しても、従来の欧米向け輸出に加えて、開発途上国の高成長持続を背景に、同地域向け輸出の牽引力も一段と強まることから、自動車輸出の高い伸びが期待可能。
そして、日本の自動車産業がこうした変化に対応し、競争力を強めていくためには、製品の高付加価値化、内外での生産体制の再構築、為替リスクへの対応などに取り組むことが一層重要になる、と結んでいる。