ホンダジェット 勝算あり、行ける

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「決して夢ばかりを追っているわけではない。(ホンダジェットの事業化は)無謀なチャレンジではなく、勝算のあるチャレンジなのです」

8月に発足、10月に本格的に稼働を開始する予定であるホンダの航空機事業子会社「ホンダ エアクラフト カンパニー(HAC)」の社長に就任する藤野道格氏は会見の席上、航空機ビジネスの展望についてこう述べた。

ホンダジェットについて、巷間では「技術の新たな象徴」「企業のイメージアップ」「本田宗一郎氏の夢」などとみられるケースが多いが、ホンダにとってはレッキとしたビジネスなのだという。2010年量産モデルの販売開始以降、早期の黒字転換を目指す。自動車に比べれば事業規模は小さいが、収益に着実に寄与する事業セグメントに成長させていくのだという。

事業化にあたって、ホンダはこれまで、ホンダジェットのカテゴリーであるVLJ(Very Light Jet=超小型ジェット機)の主戦場であるアメリカ市場について、コンジョイントスタディの手法を用いて子細にマーケティングリサーチを行ってきた。

「アメリカではエアタクシー需要が立ち上がり、VLJが売れるのではないかと期待されているが、現実としてはまだ需要はごくわずか。それらの新規需要は将来のプラスアルファ期待くらいにとどめ、比較的コンサバに市場を分析し、なおホンダジェットは行けると判断しました」(藤野氏)

航空機ビジネスは、リスクが山積する世界だが、ホンダはその世界での成功に、かなりの確信を持っているようだ。2010年のホンダジェットの“離陸”、お手並み拝見である。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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