朝刊から気になるニュース、気になる自動車関連記事をピックアップ、その内幕を分析するマスコミクルージング(原則として朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版を対象にチェック)。
2006年8月8日付
●クルマが売れない 上 :景気回復でも不振、「いつかは?」の夢、今は昔(読売・8面)
●日産・ルノーとGM提携「限定的」いすゞ社長、見方示す(読売・8面)
●F1ホンダV チーム改革が勝利呼ぶ(読売・20面)
●「大企業病防げ」トヨタ一斉点検、全従業員8万人対象(朝日・6面)
●モデルこなす、着せ替え人形 バンダイ(朝日・8面)
●ダイハツ、トヨタから受託拡大、新たに2車種、生産比率3割に(日経・13面)
●富士重工社長「経営資源欧米に重点」新興国販売は上方修正(日経・13面)
●ピックアップ車全面改良、いすゞ(日経・13面)
ひとくちコメント
トヨタ自動車がパートや期間従業員を含む全従業員約8万人(単独ベース)を対象に業務の一斉点検に乗り出した。系列部品メーカーにも渡辺捷昭社長名で危機管理体制の強化を求める文書を送付、グループあげて「大企業病」を未然に防ぐ考えという。きょうの朝日が報じている。
それによると、スピード和解した北米セクハラ訴訟や大量リコールなどの問題が続発していることから、異例の規模で、社内の意識を引き締めて足場固めを図るのが狙いという。
「8万人キャンペーン」と題した緊急点検では、円滑な意思疎通ができるよう、共通のチェックシートに従って職場ごとに具体的な改善策を定めるなどして、コミュニケーションの徹底を図る。危機意識を全従業員で共有することで、業務改善を促す仕組みという。
「一斉点検,8万人キャンペーン」というこの記事を読んで、最初は「マイカー」のことかと早とちりしたが、よく読むと「従業員」のことだった。筆者はトヨタマンといえば「真面目で優秀な人間」という模範的なビジネスマンのイメージを抱いていたが、今回の緊急点検はまるで半ズボンをはいた小学生を道徳指導するようなもの。恥も外聞もなく実施する“モラルのカイゼン”がどこまで効果をあげるのか……。