神奈川県警は14日、石川県金沢市内に本社を持つ運送会社など10社について、運転手に対して過積載の状態で運行するように指示したとして、道路交通法違反(過積載)の容疑で横浜地検に書類送検するとともに、悪質な指示を疑った支店長や運行管理者5人も同容疑(過積載下命)で書類送検した。
神奈川県警・交通捜査課によると、石川県金沢市内に本社を持ち、横浜市内に支店のある運送会社の支店長は2005年6月から8月に掛けての間、勤務する運転手に対して「過積載の状態で荷物を運べ」と指示。3トン積みの普通トラックへ倍量(約6−7トン)の荷物を積載した状態で運行していた疑いがもたれている。
これらはいずれも運転者を摘発したことによって発覚。取り調べの中で運転手が「会社の指示だった」と供述。運転手が「明らかな違反だし、危ないから止めましょう」と進言しても、運行管理者や支店長などの会社幹部が「事故を起こさなければいい、捕まらなければ大丈夫」などと命じていたという。
今回は法人としての運送会社だけではなく、実際に指示した管理者も道交法違反(過積載下命)容疑で書類送検となっているが、調べに対しては「燃料費が高騰しており、安易な増車を行えば業績が落ちるので、ギリギリの範囲なら(過積載でも)運ばせていた」、「業績が落ちると自分の管理が問われる。社員が違反で摘発されるより、会社の業績を落とす方が深刻」などと供述しているという。