イタリアとスペインの高速道路会社、合併へ

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イタリアの高速道路会社アウトストラーデは23日、スペインの道路会社アベルティスと年内をめどに合併することを発表した。

これによって、総延長6713km、従業員2万人という、世界屈指の高速道路会社が誕生する。本社機能はスペインのバルセロナに置かれるが、ローマとフィレンツェにも拠点が設けられる。

アウトストラーデは1950年、当時アルファロメオの経営を管理していたのと同じイタリア産業復興公社(IRI)によって設立された。1990年には、イタリア版ETCである『テレパス』を世界に先駆けて実用化し、今日500万ユーザーに使用されている。1999年には民営化。アパレル企業ベネトン系の持ち株会社エディツィオーネ・ホールディングが大株主となり、現在に至っている。

さっそくイタリア国内では、一部政党から「国家財産である高速道路を、簡単に取引の材料にして良いのか」という声も上がっている。いっぽう、アウトストラーデ社のジャンマリア・グロス−ピエトロ会長は、「より資本が集めやすくなることによって、建設費も抑えられ、ひいては利用者に還元できる」と合併の効果を強調する。

イタリアの高速道路は、欧州内でもインフラ整備が貧弱であることが、たびたび指摘されている。とくに半島縦断道路『太陽の道』など、初期に建設された道路設備は老朽化が激しい。標識なども近代的とはいえないものが多く、最近では道路の近代化を積極的に進める隣国スロベニアにも劣る感がある。

今回の合併による利益が、なによりイタリア・スペイン両国のドライバーに還元されるものになってほしいものだ。

なお、イタリア語でアウトストラーダ(Autostrade)は、アウトストラーダ(Autostrada)の複数形である。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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