飲酒運転黙認の運送会社に家宅捜索

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兵庫県警は4日、勤務する運転手の飲酒運転を黙認したとして、兵庫、大阪、滋賀、広島の4府県にある運送会社4社の運行管理者に対し、道路交通法違反(使用者義務違反)容疑での家宅捜索を実施した。

兵庫県警・交通捜査課によると、今回捜索された会社に勤務する大型トラックの運転手4人は、同課が2005年5月から1月までに県内の高速道路や幹線道で実施した飲酒検問で摘発を受けている。いずれも呼気1リットルあたり0.2グラム以上のアルコール分が検出されており、道交法違反(飲酒運転)の現行犯で逮捕。捜索の際には運転席からビールや焼酎の容器が発見されていた。

検問は昼間に行われていたが、逮捕された4人の運転手はいずれも「仮眠を取るためにアルコールは必要不可欠だった」と供述。そして「会社も飲酒について知りつつ、黙認している」などと供述していた。

これを受け、警察では運送会社で運転手の勤務スケジュールなどを管理する運行管理者から任意で事情を聞いていたが、「運転手が酒臭いと感じたことがある」、「会社のゴミ箱にビールの空き缶を捨てていた。車内で飲んでいると思った」、「トラック内の冷蔵庫にアルコール飲料が入っているのを見つけた」などと供述。しかし、いずれのケースでも運転手に対する注意や処分などは行っていなかった。

このため、警察ではこれらを「飲酒運転の黙認」と認定。運行管理者と法人としての会社を立件することを目指し、強制捜査の実施を決定。4日に家宅捜索を実施している。

飲酒運転黙認で運行管理者の責任を問うのは極めて異例だが、大型トラックによる飲酒起因の事故は現在も数多く発生しており、警察では「会社側の管理を徹底させる意味でも立件を目指す」としている。

《石田真一》

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