ワールドカーホームタウン三河港でシンポジウム

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3月6日、愛知県豊橋市の「豊橋サイエンスコア」にて、「ワールドカー・ホームタウン --自動車・観光・地域文化--」と題するシンポジウムが開催された。主催は、東三河地域の調査研究やまちづくり提言などに関わっている地方シンクタンク、社団法人東三河地域研究センター。

あまり知られていないが、三河港は日本最大の輸入車陸揚げ基地だ。フォルクスワーゲングループ(アウディやランボルギーニを含む)やPAGインポート(ボルボ、ジャガー、ランドローバーなど)、ダイムラー・クライスラー(メルセデス・ベンツやクライスラーなど)が三河港で車両を陸揚げしており、同地に整備施設やテクニカルトレーニングセンターを併設している。また、フォルクスワーゲンAGの日本法人である(フォルクスワーゲングループジャパン)の本社は豊橋市に置かれている。

また、その周辺地域にはトヨタ、三菱、スズキなど自動車工場が数多く立地しており、三河港周辺地域は日本でも最大規模の自動車産業集積地帯だ。そこで三河港のある豊橋市や蒲郡市では、三河港周辺地域を「ワールドカー・ホームタウン」と位置づけて、自動車産業観光を市の主要産業として重視する方針を打ち出している。

今回のシンポジウムでは、世界の自動車企業が集まる三河港地域の観光産業をいかに育てていくかをテーマとして熱い議論が交わされた。

■民間と行政の双方から東三河地域の自動車産業観光活性化を提言

パネリストは、旧VWビートルなど空冷フォルクスワーゲンのレストア・中古販売を手がけるFlower Auto代表取締役の菅原雅之氏、全国規模でニュービートルのミーティングを主催している宮内孝司氏、交通毎日新聞社取締役企画本部長の青柳正一氏、蒲郡商工会議所副会頭の小池高弘氏、豊橋商工会議所副会頭の磯村直英氏、豊橋市企画部港湾活性課課長の伊庭雅裕氏の6人で、東三河地域研究センターの常務理事戸田敏行氏がコーディネーターを務めた。

冒頭に、菅原氏と宮内氏がそれぞれオーガナイズしたイベントを紹介。菅原氏は空冷ビートルを対象にしたイベントを長年に渡って続けており、「イベントの成否は天候にかかっている」と自らの経験として語った。また宮内氏は数年前からインターネットに端を発するオフラインミーティングを開催し、昨年は豊橋駅前で大規模な集まりを主催。「台数が増えるほど、また全国規模になるほど開催場所には苦労した」と語る宮内氏は、東三河地域研究センターの協力で、昨年VGJのお膝元である豊橋でニュービートルのイベントを開催し、成功させた。これまでの経験を生かして、「来てくれた人を退屈させないイベントづくりが大切」と力説した。また「mixiなどのコミュニティサイトを利用して積極的に広報していくことも大切」と宣伝の重要性についても説いた。なお、豊橋でのニュービートルのイベントは、今年はより一層規模を拡大して開催する予定だという。

次いで豊橋市の伊庭氏にマイクが渡り、三河港を国際的な自動車ビジネスの拠点とする「国際自動車コンプレックス計画」の策定や「国際自動車特区」として認められた経緯を説明。今後も市を挙げて自動車産業の活性化を図っていく方針を明らかにした。豊橋商工会議所の磯村氏も「可能な限りサポートしていきたい」を前向きな姿勢を示し、「自動車関連イベントを誘致していくために、組織のネットワークづくりや受け入れ体制を整えて、行政に働きかけていきたい」とした。

そして蒲郡商工会議所の小池氏。名古屋市に次ぐ観光都市である蒲郡市は「観光交流立市」を宣言しており、自動車関連イベントも観光客誘致のひとつとして、積極的に受け入れていく考えを示し、「豊橋、蒲郡と別々に取り組むのではなくて、同じ東三河地域として、一体で観光産業を発展させていければ」と今後の展望を示した。

ここではコーディネーターの戸田氏が、約600にものぼるオーナーズクラブを対象に同研究所が実施したアンケート調査の結果を報告。それによると、東三河地区が工場や陸揚げの拠点であること、東京と大阪の中間地点でアクセスも良い点などを挙げて、多くのクラブが同地域でのオーナーズミーティング開催に前向きな姿勢を見せていることを報告。また、東三河地方がクルマの「聖地」「故郷」であるという意見も多く見られたことから、オーナーの「巡礼」意識をより高めていくような地域づくりが重要との認識を示した。

■警察との折り合いをどう付けていくか

来場者との質疑応答では、「クルマのイベントは警察との折り合いが非常に重要。住民の協力を得、行政と一体となって進めていけば、その点でも問題なくこなしていけるのでは」との声や「ひとつ大きなイベントを成功させればノウハウや勘所がつかめるようになる」といった意見も見られた。

最後に、戸田氏が「自動車のイベントは場所・宣伝・内容という3つの要素が重要であることが分かった」、小池氏も「地域のイベントの中に繰り込んでいくことで行政の垣根を作らずに東三河一帯で取り組んでいきたい」と総括。ワールドカー・ホームタウンの地域づくりを協力して進めていくことを確認してシンポジウムの幕を閉じた。

《ITS DAYS》

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