多賀城の泥酔死傷事故、危険運転罪の最高量刑を命じる

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昨年5月、宮城県多賀城市で泥酔運転のRVが横断中の高校生に突っ込み、18人を死傷させたとして、危険運転致死傷罪に問われた27歳の男に対する判決公判が23日、仙台地裁で開かれた。裁判所は被告の男に対し、懲役20年の実刑を命じている。

問題の事故は5月22日の午前4時15分ごろ、多賀城市八幡1丁目付近の国道45号線で発生している。左折待ちをしていた乗用車に赤信号を無視して進行してきた泥酔運転のRVが衝突。乗用車を押し出すようにして前方の横断歩道に突っ込み、横断していた高校生を次々にはね。18人が死傷した。

RVを運転していた26歳の男は事故直前まで約7時間に渡って飲酒。自分が泥酔状態であることを認識しながらも、一緒に酒を飲んでいた男を家まで送るためにクルマを運転。走行を始めた直後から断続的な居眠り状態に陥り、結果として事故を起こした。

被告側は「飲酒はしていたが、泥酔状態ではなかった」と主張していたが、23日に行われた判決公判で仙台地裁の卯木誠裁判長は「被告は事故の直前に信号無視や蛇行運転を繰り返しており、泥酔して運転が困難だったのは明らかだ」と指摘した。その上で「被告はアルコールの影響を自覚しながらも身勝手かつ安易な考えから危険運転行為に及び、他に類を見ない大惨事を引き起こした」と述べ、被告に対して懲役20年の実刑を命じた。

危険運転罪の最高量刑は2005年1月、それまでの15年から20年に引き上げられたが、改正後に最高量刑が言い渡されたのは今回が初めて。

《石田真一》

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