大幅なリストラ策を発表したフォードグループ(23日)だが、企業方針としてもうひとつ見逃せないのが、本格的なミニバン分野からの撤退を考えている点である。
フォードは昨年ミニバンの販売が不調で、モデルによって23%(フォード『フリースター』)から53%(マーキュリー『モントレー』)という販売減を記録した。これを受け、「ミニバン」という形でのクルマの生産に見切りをつけ、新たな「ピープルムーバー」となるクルマの生産を考えているという。
その新しいクルマの形だが、2005年のデトロイトモーターショーで発表された『フェアレーン』コンセプトに近いものになると考えられている。フェアレーンは3列シートだがミニバンのようにトラックプラットフォームではなくカープラットフォームで、大型のステーションワゴンのようなルックスだ。
実際フォードは現在フリースター、モントレーを生産しているオンタリオ工場で、新モデルであるフォード『エッジ』、リンカーン『MKX』を生産する予定、としており、このミニバン2モデルの存続が危ぶまれている。
元々「これからはSUVではなくCUV(クロスオーバー)の時代」と語っていたフォードだけに、ミニバンからの全面的な撤退も現実的な案と考えられている。