宮城県警は26日、仙台市青葉区内のアーケード街で乗用車を暴走させ、7人に軽傷を負わせた52歳の男が、事件を故意に起こしたと供述していることを明らかにした。警察では容疑を殺人未遂に切り替える検討を開始している。
宮城県警・仙台中央署によると、問題の事件は25日の午後6時50分ごろ発生している。仙台市青葉区一番町3丁目付近の市道アーケード街「マーブルロードおおまち」で、52歳の男が運転するワゴン車が強引に進入して暴走。約90mの距離を走り抜ける途中で歩行者7人を次々にはねて軽傷を負わせた。警察では男を業務上過失傷害や道路交通法違反(ひき逃げ)の現行犯で逮捕している。
調べに対して男は「職場の人間関係が辛かった」、「今年4月に起きたトラック暴走事件の報道を見て“俺も捕まれば楽になる”と思った」などと供述。事件を故意に起こしたと主張している。
警察では容疑を殺人未遂に切り替えることを視野に入れて捜査を続けているが、一方で男は「不眠症の症状があり、精神科に通院して投薬治療を受けている」とも供述。男が「犯行予告としてマスコミに送った」とされる電子メールには、自分の現状を書き綴ったとみられる意味不明の文言もあり、責任能力の有無についても調べを進める方針だ。
また、アーケード街の市道を管理する仙台市は、今年4月の事件以降にクルマの進入を遮断する目的で入口付近に置いた植栽(プランター)の数を増やし、基本的には歩行者以外の進入ができなくする構造に改めていくことを表明している。